ISO26000 に規定されている7つの中核主題を背景として、印刷業ならではの課題を抽出した印刷業としてのCSRビジョンを8 項目策定しました。
この「印刷業CSRビジョン」は中小印刷業のためのCSR羅針盤ともいうべきものです。ここに掲げるビジョンは、我々中小印刷業が持続可能な経営を実現するためにどのような活動が必要なのかを踏まえて策定したもので、CSR経営の指針でもあり、また戦略とも言えるものです。CSRを会社の風土として定着させるためには、まず経営者自らが自社のCSR方針を社内外に向けて発信し、従業員全員とともにPDCA を繰り返して活動をスパイラルアップしていくことが重要です。まずは自社のCSR方針を策定してみましょう。策定にあたっては以下の「印刷業CSRビジョン」を基礎にして、その上に自社の風土にあった内容を構築していくと良いでしょう。
15世紀より、文化、文明、社会、経済の発展は、印刷技術の向上と共にあったといっても過言ではない。
我々はその情報産業の歴史と伝統の担い手としての立場を理解し、社会にとって今後も永続的に有用な存在でなければならない。そのために事業活動の展開において、製品の安全性や正確性、環境への影響、ステークホルダーへの配慮を怠らず、公正かつ透明、そして公正な取り引をおこない、高い倫理観のもと自社のみならず業界や社会の発展に寄与すべくCSRに取り組む。
既に積極的にCSRに取り組んでいる企業は、一歩進めて体系的にCSRを整備してみてはいかがでしょう。
社会からの信頼を獲得するために、前述のような印刷業ならではの8 つの課題を抽出した「印刷業CSRビジョン」を策定しました。CSRの分野は非常に広く、それぞれの分野ごとに掘り下げた知識の習得や取り組みのためには多くの労力と費用がかかります。
そこで全印工連では、このたび印刷業として最低限押さえておくべき基本的CSR項目を解りやすく整理し、できる限り費用を抑えた形で体系的に基本的CSRの導入を進めると同時に、社会に向けてCSRに取り組んでいる証として、基本的CSRの要件を満たしている企業の証としてCSR認定制度を整備することとなりました。
認定制度については次項目以降で詳しく説明します。